帯広畜産大学

帯広畜産大学の紹介

平成29年度入学式

 第69回畜産学部、第51回大学院並びに第58回別科草地畜産専修の入学式が、4月10日(月)午前10時から講堂において、関係者の列席のもとに挙行されました。

  入学式では、畜産学部259名(編入学生7名を含む。)大学院畜産学研究科54名、別科草地畜産専修17名の計330名の入学者全員の呼名が行われ、入学が許可されました。

 次いで奥田学長から告辞が述べられ、入学者を代表して共同獣医学課程の田中 匡さんから「学業に励み、学生の本分を尽くすことを誓います。」と宣誓が行われました。
  その後、ご来賓の同窓会会長および役職員の紹介があり、本学マンドリンサークルによる帯広畜産大学逍遥歌の演奏が流れるなか、式は終了しました。

 

 以下に奥田学長の告辞を紹介いたします。

   告 辞

  

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本日ここに、ご来賓、ご家族、教職員のほか、関係各位のご臨席をいただき、平成29年度の入学式を挙行できますことは、本学にとって大きな喜びです。新入生の皆さんには、帯広畜産大学の教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。

 皆さんが、これまでの努力と研鑽の結果、本学に入学するという目標を達成されたことに対して、心から敬意を表します。また、その志を支えてこられた、保護者、ご家族並びに関係者の方々に対し、心よりお慶び申し上げます。

 入学生の皆さん、風向きによって農場からの香りが漂うこのキャンパスに立たれた気分はいかがでしょうか。私も46年前親元を離れ、この香りと大自然の雄大さに圧倒され、期待と不安の入り交じった気持ちで本学の入学式に臨んだことを思いだします。

 まだ風は冷たく、木立の蔭には雪が残っていますが、間もなくすべての植物が一斉に芽吹き、生命感のあふれる季節になります。春の日差しと畜大の香り・雰囲気を身体で受け止めキャンパスを歩いてみてください。キツツキの木をつつく音に気づき、またエゾリスの走り回る姿を見かけるでしょう。新入生の資料を見せて頂きましたが、本年度も約70% が北海道外の出身者です。こうした北海道の自然環境へのあこがれも皆さんが本学を目指した理由の一つだったのではないかと思います。

 西には、サホロ岳から襟裳岬へと続く日高山脈、北には、北海道の最高峰である旭岳を有する大雪連峰があります。それらの山々からのすそ野は、十勝川に沿って南へ太平洋沿岸に至る十勝平野を形成しています。この自然環境と大陸的な気候は、十勝の基幹産業である畜産、酪農、畑作にも大きく寄与すると同時に、本学の教育研究を進める上で、最大の特徴でありメリットになっています。つまり、本学は「農学・畜産科学・獣医学」を学ぶのに最高のロケーションにあることを意味しています。

 本学は、昭和16年に前身となる帯広高等獣医学校が創設され、今年で75年目を迎えます。新制大学としてスタートしてから67年が経過した現在、本学の教育研究環境は大きく進歩し、産業動物臨床施設群を始めとする教育研究施設、乳製品工場など国際認証基準に適合した実習施設など,世界に比肩できる教育研究が行える体制を整えています。

 日本の食料生産の中心地として「生産から消費まで」一貫した環境が揃う十勝・帯広に位置する本学は、生命、食料、環境をテーマに、農学、畜産科学、獣医学に関する教育研究を推進する、我が国唯一の国立農学系単科大学です。農学関連領域は生活の基盤であり、健康の基盤であることから、本学のミッションは、「『食を支え、くらしを守る』人材の育成を通じて、地域および国際社会に貢献すること」としています。そして、創設以来、これまで約1万6千人余りがこのキャンパスから飛び立ち、国内外の「生命、食料、環境」の分野で多彩な活躍をされています。本日入学した皆さんも、本学の特徴を十分に理解し、それを活かした目標に向かって勉学に励んでいただきたいと思います。

 さて、「農学栄えて農業滅ぶ」という言葉を紹介したいと思います。この言葉の源は諸説あるようですが、東京農業大学の初代学長横井時敬(ときよし)先生が述べられた言葉として紹介されることが多いようです。農業という産業が栄えるための学問が農学であるはずですので、矛盾した言葉と言えます。「私達農学を研究する者が栄えても、農業生産者が栄えるとは限らない」」と言うことを、「実学主義」である横井時敬(ときよし)先生が戒めた言葉と考えれば大変分かり易いです。「実学」とは、実証性に裏付けられ、実際に生活の役に立つ学問を意味します。本学には様々な先進的な教育研究施設、また、乳製品工場をはじめ国際認証基準に適合した実習施設を備えており、まさに実践的な教育をする大学と言えます。また、大学周辺の広大な十勝平野には、「実学」を学ぶフィールドが豊富に存在しています。大学の内外で、自ら汗して「実学」を学んでください。


 今年の東京都知事の年頭挨拶で「鳥の目で全体を俯瞰(ふかん)しながら」という言葉が紹介されました。社会運営に必要な目として、「鳥の目」、「虫の目」、「魚の目」を持つことが必要と言われます。全体像・マクロを眺める目が「鳥の目」、足下・ミクロを見つめ直す目が「虫の目」、そして、時代の流れをつかむ目が「魚の目」という意味です。

 「木を見て森を見ず」という言葉もあります。「農学栄えて農業滅ぶ」という言葉の意味を考えながら、これからの学業に対し問題意識・目的意識を持って、勉学に取り組んでいただきたいと思います。実学を強調してきましたが、本学は最新・最先端の研究成果をもとに実学を教育する場です。本学の研究は世界でも最先端を走っていることを申し添えます。

 一方で、クラブ活動やボランティア活動など課外活動にも積極的に参加してください。異分野の講演会や音楽会など文化的イベントにも積極的に足を運び、多様な人々の考えや文化に触れることも大切です。そうしたプラスアルファの活動こそが、多種多様な人々や文化を受け入れられる、幅広い人間性を育むと信じています。そうした考えから、リベラルアーツ講演会として、本日午後 ノーベル物理学賞受賞者である小林誠先生の講演会を企画しました。

 皆さんが、それぞれの目標に向かって、志を高く持ち、多くの事にチャレンジし、生命・食料・環境分野の専門知識、社会情勢の変化や諸課題に対応する応用力やコミュニケーション能力を身につけ、人間的に大きく成長されることを祈念し、告辞といたします。


                             平成29年4月10日
                       国立大学法人帯広畜産大学長
                               奥田  潔

 

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