帯広畜産大学

帯広畜産大学の紹介

平成28年度入学式

 第68回畜産学部、第50回大学院並びに第57回別科草地畜産専修の入学式が、4月8日(金)午前10時から講堂において、関係者の列席のもとに挙行されました。

  入学式では、畜産学部272名(編入学生10名を含む。)大学院畜産学研究科56名、別科草地専修15名の計343名の入学者全員の呼名が行われ、入学が許可されました。

 次いで奥田学長から告辞が述べられ、入学者を代表して共同獣医学課程の土田 萌衣さんから「学業に励み、学生の本文を尽くすことを誓います。」と宣誓が行われました。
  その後、ご来賓の同窓会会長および役職員の紹介があり、マンドリンサークルによる帯広畜産大学逍遥歌の流れるなか、式が終了しました。

 

 以下に奥田学長の告示を紹介いたします。

   告 辞

  本日ここに、ご来賓、ご家族、教職員のほか、関係各位のご臨席をいただき、平成28年度の入学式を挙行できますことは、本学にとりまして大きな喜びです。本学に入学された343名の新入生の皆さん、誠におめでとうございます。  皆さんが、これまで努力と研鑽を重ね、本学に入学するという目標を達成されたことに対して、心から敬意を表します。また、その志を支えてこられた、保護者、ご家族並びに関係者の方々に対し、心よりお慶び申し上げます。

 入学生の皆さん、このキャンパスに立たれた気分はいかがでしょうか。私も45年前、京都の親元を離れ、期待と不安の入り交じった気持ちで本学の入学式に臨んだことを思いだします。恐らく皆さんも同じような気持ちでこの場に臨んでおられるに違いないと思います。新入生の資料を見せて頂きましたが、70% が北海道外の出身者で、この70%を100%と換算しますと、実に90%が関東以西出身者です。まさに全国区の大学と誇らしく思っています。
まだ風は冷たく、木立の蔭には雪が残っていますが、寒く厳しい冬の季節に終わりを告げ、帯広はまさに春を迎えようとしています。間もなくすべての植物が一斉に芽吹き、生命感のあふれる季節になります。キャンパスを歩いていると、いたるところからキツツキの木をつつく音に気づいた方もおられるでしょう。またエゾリスの走り回る姿を見た人もいるでしょう。

 こうした北海道の自然環境へのあこがれも皆さんが本学を目指した理由の一つであったのではないでしょうか。西には、サホロ岳から襟裳岬へと続く日高山脈、北には、北海道の最高峰である旭岳を有する大雪連峰があります。それらの山々からのすそ野は、十勝川に沿って南へ太平洋沿岸に至る十勝平野を形成しています。この自然環境と大陸的な気候は、十勝の基幹産業である畜産、酪農、畑作にも大きく寄与すると同時に、本学の教育研究を進める上で、最大の特徴でありメリットになっています。つまり、本学は「農学・畜産科学・獣医学」を学ぶのに最高のロケーションにあるということを意味しています。

 本学は、昭和16年に前身となる帯広高等獣医学校が創設され、今年で75年目を迎えます。新制大学としてスタートしてから67年が経過した現在、本学の教育研究環境は大きく進歩し、産業動物臨床施設群を始めとする教育研究施設、乳製品工場など国際認証基準に適合した実習施設など,世界に比肩できる教育研究が行える体制を整えています。

 このように施設・設備が新しくなり、また教育課程が変わり、教育基本法が改正されても、創設以来の本学の強みや特色に揺るぎはありません。日本の食料生産の中心地として「生産から消費まで」一貫した環境が揃う十勝・帯広に位置する本学は、生命、食料、環境をテーマに、農学、畜産科学、獣医学に関する教育研究を推進する、我が国唯一の国立農学系単科大学です。農学関連領域は生活基盤であり、健康基盤であることから、本学のミッションは、「知の創造と実践によって実学の学風を発展させ、『食を支え、くらしを守る』人材の育成を通じて、地域および国際社会に貢献すること」としています。そして、創設以来、これまで約1万6千人余りがこのキャンパスから飛び立ち、国内外の「生命、食料、環境」の分野で多彩な活躍をされています。本日入学した皆さんも、本学の特徴を十分に享受し、それを活かした目標に向かって勉学に励んでいただきたいと思います。

 皆さんは「農学栄えて農業滅ぶ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉は、東京帝国大学教授、のちに東京農業大学初代学長になられた横井時敬(ときよし)先生の残された言葉の一つです。「農学栄えて農業滅ぶ」。普通に考えると矛盾した言葉です。農業という産業が栄えるための農学であるはずです。「私達農学を研究する者が栄えても、農業を実際に行っている人は栄えない(栄えるとは限らない)」と言うことで、「実学主義」である横井時敬(ときよし)先生の言葉とすれば大変分かり易いと思います。「実学」とは、実証性に裏付けられ、実際に生活の役に立つ学問を意味します。机上の学問だけではなく、農業者、企業あるいは社会の実情を的確に把握し、課題解決に向けて、自ら手を動かして知識と技術を学ぶことが重要です。前にも述べましたように、本学には産業動物臨床施設群を始めとする教育研究施設、乳製品工場など国際認証基準に適合した実習施設などを備えており、まさに実践的な教育をする大学と言えます。また、大学周辺の広大な十勝平野には、「実学」を学ぶフィールドが豊富に存在しています。大学の内外で、自ら汗して「実学」を学んでください。「農学栄えて農業滅ぶ」という言葉を心のどこかにとどめて問題意識・目的意識を持って勉学に取り組んでいただきたいと思います。

 すると帯広畜産大学は「専門学校か?」という疑問を持たれるかも知れません。もちろん「専門学校」ではありません。大学は最新・最先端の研究成果を教育する場です。本学の研究は世界でも最先端を走っていることを申し添えます。

 皆さんが、それぞれの目標に向かって、志を高く持ち、多くの事にチャレンジし、生命・食料・環境分野の専門知識、社会情勢の変化や諸課題に対応する応用力やコミュニケーション能力を身につけ、人間的に大きく成長されることを祈念し、告辞といたします。

                             平成28年4月8日
                       国立大学法人帯広畜産大学長
                               奥田  潔

 

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