帯広畜産大学

帯広畜産大学の紹介

日本産タヌキは大陸産のものとは大きく異なる固有種であった

 帯広畜産大学畜産生命科学研究部門の研究グループ(博士課程院生キム・サンイン,押田龍夫教授)とソウル大学獣医学部の研究グループ(木村順平教授,ミン・ミスク講師,リ・ハーン教授)による共同研究チームは,日本に分布するタヌキはDNA塩基配列および形態的特徴(頭骨の形態)において大陸産のものとは異なる固有種であることを発表しました。
 タヌキは、ロシア東部,中国北東部〜南部,朝鮮半島,日本,そしてベトナム北部にのみ分布するアジアの固有種です。 DNAを用いたタヌキ集団間の系統関係については,共同研究チームによってイギリスの科学雑誌(注1)に2013年に既に公表されていますが,先日,共同研究チームによって頭骨形態に基づいた日本集団の固有性に関するもう1編の論文をイギリスの科学雑誌(注2)に公表しました。
 両報告とも日本産タヌキも含めアジアに分布するタヌキ集団の多様性を進化学的に解析したものであり、これらの結果から,共同研究チームは日本産タヌキの種名を変更する必要性を唱えており,論文中では,本州・四国・九州に生息するニホンタヌキをNyctereutes viverrinus viverrinusおよび北海道に生息するエゾタヌキをNyctereutes viverrinus albusと命名することを提案しています。
 日本産タヌキが固有種であるという研究結果は,アジアに生息する他の様々な哺乳類の進化史を解明する上で大きく役立つと考えられます。また,日本産タヌキの固有種としての希少性を検討し,その保全に関する施策を将来的に考慮することも必要となります。野生動物の保全計画を立案する際には,対象種の形態・遺伝などの基礎生物学的データが重要であることが本研究の結果から浮き彫りとなりました。
 本研究成果は、韓国のインターネットや新聞等でも既に公表されています。

(注1) Kim S-I., Park S-K., Lee H., Oshida T., Kimura J., Kim Y-J. Nguyen S.T., Sashika, M. and Min M-S. 2013. Phylogeography of Korean raccoon dogs: implications of peripheral isolation of a forest mammal in East Asia. Journal of Zoology, London 290(3): 225-235
(注2) Kim S-I., Oshida T., Lee H., Min M-S. and Kimura J. 2015. Evolutionary and biogeographical implications of variation in skull morphology of raccoon dogs Nyctereutes procyonoides (Mammalia: Carnivora). Biological Journal of the Linnean Society 116(4): 856-872

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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