平成22年度入学式

 第62回畜産学部,第44回大学院並びに第51回別科草地畜産専修の入学式が,4月9日(金)午前10時から講堂において,関係者の列席のもとに挙行され,352名の入学者全員の呼名が行われ,入学が許可されました。

  次いで長澤学長から告辞が述べられ,引き続き,ご臨席いただいた帯広畜産大学後援会理事長の西佐古 求様から祝辞を賜り,入学者を代表して獣医学課程の中谷 大地さんから宣誓が行われました。

  その後,ご来賓の同窓会会長,後援会理事長および役職員の紹介があり,マンドリンサークルによる帯広畜産大学逍遥歌の流れるなか,式が終了しました。

  以下に長澤学長の告示を紹介いたします。

   告 辞

 本日ここに、ご来賓、ご家族、教職員のほか、関係各位のご臨席を頂き、平成22年度の入学式を挙行できますことは、本学にとりまして大きな喜びであります。本学に入学された352名の皆さん、誠におめでとうございます。
 皆さんが、本学に入学するという目標を持って、これまで努力し、様々な困難を乗り越えて、目的を達成されたことに対して、心から敬意を表するとともに、その志を支えてくださったご家族並びに関係者の方々に対しても、心よりお慶び申し上げます。

 本学の前身である帯広高等獣医学校は、昭和16年に創立され、今年で69年目を迎えます。この間、昭和24年に、学校教育法の改正により、新制大学として帯広畜産大学畜産学部が設置され、獣医学科および酪農学科に計91名の入学者を受け入れています。その後、学科の新設あるいは再編を行い、平成20年度から現在の課程制に移行しています。
 別科(草地畜産専修)は、地域に密着した農学を学ぶことにより、地域社会の指導者となるような農業後継者を育成することを目的として、昭和35年に新設されました。
 大学院に関しては、昭和42年に、先端的な学術知識を有する高度専門職業人養成を目的として、大学院畜産学研究科修士課程が設置されました。また、平成18年には、BSEに端を発した食の安全に関する社会不安解消のために、我が国で唯一、食の安全確保を担う人材養成を目的とした、畜産衛生学博士の学位を授与する本学独自の大学院博士課程が設置され、現在に至っています。これらの教育課程を修了した同窓生の数は1万4千7百30人となり、農業を中心とした、生命・食料・環境の分野で、国内はもとより、世界中で多彩な活躍をしています。

 現在、食料生産分野に限らず、多様な分野において農業が注目され、21世紀最大の成長産業とも言われています。従って、農業を支える農学、畜産学、獣医学の学術貢献には、社会が大いに期待しています。農業が成長産業と言われる理由は、現代社会が抱えている地球温暖化、食料安全保障、環境問題、エネルギー問題、感染症などの地球規模問題と「農業」が密接に関連していることにあります。そこには、あらたなビジネスモデルの存在が示唆されているのですが、ビジネス以前の問題として、この地球規模問題の解決方策は、人類にとって喫緊の最重要課題であると言えます。
 こうした情勢の変化と社会の期待に対応して、皆さんがそれぞれ固有の目標を設定し、これからの学生生活において、生命・食料・環境分野の専門知識、社会に通用する教養、社会情勢の変化や諸課題に対応可能な応用力やコミュニケーション能力を身につけ、人間的に大きく成長されることを期待します。

 さて、学校教育法によれば、大学の目的は、「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的および応用的能力を展開させること」と定められています。また、「大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与する」と規定されています。
 平成16年に、全国の国立大学が法人化され、6年ごとに中期目標・計画を公表し、外部評価を受けることになりました。現在、わが国には大学が約760校ありますが、このうち国立大学は86校です。いずれも、大学運営には国から財政支援を受けています。本学の場合は、運営費の約半分が国からの財政支援です。大学が高等教育機関であること、および国から財政支援を受けていることから、国立大学の社会的責任は重く、社会に対する説明責任を果たす必要性からも、外部評価を受けることは必然であります。
 平成16年にスタートした第1期目の6年間が、今年の3月で終了しました。外部評価は、教育水準、研究水準、教育研究達成度、および業務運営達成度の4項目で実施されました。今回の評価方法では、大規模な総合大学ほど有利であり、地方の小規模大学は不利であったという傾向の中で、本学は、北海道では最高ランク、全国でも第11位という、非常に高い評価をいただきました。このことは、大学内の学生諸君、教員、職員を含む全てのスタッフの努力の結果であり、加えて、同窓生および地域の方々のご支援、ご協力があったためと考えます。さらに、十勝という地域性にも、支えられている部分が大いにあると思います。  今年度から始まる第2期6年間の中期目標・計画に掲げた本学の基本的な目標は、ミッションとして、「知の創造と実践によって、実学の学風を発展させ、『食を支え、くらしを守る』人材の育成を通じて、地域および国際社会へ貢献する。」こととしています。また、ビジョンを4つ掲げています。1つ目は、「恵まれた自然環境を活かしつつ、潤いと活気があり、豊かな人間性を醸成できるような『学びあいのコミュニティ』を創出する。」2つ目は、「獣医・農畜産融合の視点から、幅広い見識と国際性を有し、実践力のある人材の育成を目指す。」3つ目は、「生命・食料・環境の分野に関し、地球規模課題の解決に向けて、トップレベルの学術研究拠点となることを目指す。」4つ目が、「創造的、学際的な実学研究の成果を社会に還元して、地域および国際社会の持続的発展に貢献する。」  以上のミッションとビジョンの達成には、本日、入学式を迎えられた皆さんの協力が必要となります。  本学の特色は、獣医・農畜産融合の特色ある教育研究分野、実験フィールドを有する広大な キャンパス、長年にわたる国際協力活動実績、産学官連携事業の積極的な推進、多彩な地域貢献実績などが基盤となって、大学の目的と使命が明確であることです。このことが、社会的に高い評価を得ている大きな要因となっています。本日、皆さんが、本学の一員として加わり、これからの帯広畜産大学の実績を更に築き上げ、本学の学風を形成することになるわけですが、益々、高く評価されるよう共に力を併せたいと思います。

 とかち帯広は、日高山脈から始まる果てしない大空と大地の中で、一年を通じて美しい自然の息吹を満喫できます。このような恵まれた自然環境は修学環境としても、志高い皆さんの多様で個性的な夢と希望を迎え入れるのに相応しいものと考えます。
 最後に、皆さんが、志を高く持ち続け、悔いを残さない充実した学生生活を送られることを祈念し、告辞といたします。

平成22年4月9日
国立大学法人帯広畜産大学長
長澤秀行

 

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