帯広畜産大学

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第12回畜産衛生に関する帯広ワークショップについて

 第12回畜産衛生に関する帯広ワークショップを,2010年3月6日(土),帯広畜産大学において開催します。
 高泌乳牛の繁殖障害は,分娩後の乳牛が泌乳優先の栄養代謝をして,重度の負のエネルギー状態に陥ってしまうことが要因であることはよく知られています。今日までの高泌乳牛に対する飼養管理は,この「負のエネルギーバランス」を解消することに主な注意が向けられて来ましたが,残念ながら,我が国の最近20年間の繁殖成績を見る限り,必ずしも成果につながっているとは言えません(家畜改良事業団)。一方,乳牛の健康状態については,獣医師による総診療件数(繁殖障害を除く)の4割以上を乳房炎が占め,さらに,周産期病,消化器病,運動期病で8割に達しています(北海道NOSAI)。このような疾病牛の多くで,その後の繁殖がうまくいかないことはよく経験しているところです。『高泌乳‐健康‐繁殖』の問題は,誰もがその重要性を認識しているにもかかわらず,その因果関係は複雑で,且つ,それぞれの牛群で状況が異なるため,未だにそのメカニズムの解明と問題の解決には至っていません。
 今回のワークショップでは,『周産期の乳牛の病態生理と繁殖機能の抑制メカニズム』をテーマに,主要な疾患や飼料給与と卵巣機能の関係について整理したいと思います。特に,病態と繁殖機能をつなぐ物質として,グラム陰性菌から放出されるエンドトキシン(リポ多糖:LPS)と真菌(カビ)が産生する毒素(マイコトキシン)をキーワードに,国内外の研究者による講演と本学の大学院生による調査研究の成果を紹介いたします。
 まず,産褥熱など分娩後の子宮回復の遅延は,その後の繁殖に大きな影響を与えますが,この問題について,ドイツ・ハノーバー獣医科大学の Bollwein先生から子宮回復の生理学と病態生理学の観点から子宮炎とその卵巣機能への抑制効果について教育講演していただきます。
 次に,乳房炎はその病態によっては乳牛に生命の危機をももたらしますが,乳房炎が繁殖機能を抑制する機構についてはよく知られていません。イスラエル・ヘブライ大学のWolfenson先生から乳房炎と繁殖機能抑制について,調査と実験モデルによる重要な研究成果をご紹介いただきます。
 国内からは,臨床現場でカビ毒と牛の健康について数多くの症例を扱ってこられた,オホーツクNOSAIの山本展司先生から飼料のマイコトキシン汚染の問題について,臨床現場で起きている問題についてご紹介いただき,鹿児島大学の高木光博先生からは,マイコトキシンの一種であるゼアラレノンの繁殖機能への影響に関する病態について,ご講演いただきます。
 最後に,本学の2名の大学院生から,一般酪農家でよく行われている濃厚飼料給与方法でも第一胃液中のエンドトキシン濃度が増加して繁殖機能を抑制することに関する飼養試験の結果,さらに,エンドトキシンの卵胞機能抑制のメカニズムに関する基礎的な実験結果をご紹介します。
 なお,本ワークショップは帯広畜産大学(文部科学省「組織的な大学院教育改革推進プログラム」・「グローバルCOE」)で主催し,十勝獣医師会に後援いただいております。また,従来どおり,講演内容の総説集(カラー印刷)を用意しておりますので,手元に置いてご活用下さい。


「高泌乳牛の健康科学:周産期の病態生理と繁殖機能の抑制メカニズム」

  日 時:平成22年3月6日(土) 9:00~17:00

  場 所:帯広畜産大学 大講義室(帯広市稲田町西2線11番地)


 ~ プログラム ~

9:00-9:10
   開会挨拶 コーディネーター 木田 克弥(帯広畜産大学)

[教育講演-1 子宮炎と卵巣機能]
9:10-10:40
  産後の子宮収縮の生理および病態生理と卵巣機能に対する影響(日本語通訳付)
           Heinrich Bollwein 先生(ハノーバー獣医科大学,ドイツ)

10:40-11:00 小休憩

[教育講演-2 乳房炎と卵巣機能]
11:00-12:30
  臨床型乳房炎と潜在性乳房炎の繁殖機能と受胎性に及ぼす影響(日本語通訳付)
            David Wolfenson 先生(ヘブライ大学,イスラエル)
            教育講演通訳:松井 基純(帯広畜産大学)

12:30-14:00 昼 食

[一般講演 エンドトキシン・マイコトキシンと繁殖機能]
14:00-14:40
  マイコトキシンの影響が疑われた牛群の生産性低下
            山本 展司先生(オホーツク農業共済組合)

14:40-15:20
  牛群のマイコトキシン(ゼアラレノン)浸潤動態と繁殖機能への影響
            高木 光博先生(鹿児島大学農学部)

15:20-15:40 小休憩

15:40-16:10
  泌乳初期の乳牛に対する濃厚飼料給与が第一胃液エンドトキシン濃度と健康および繁殖機能回復に及ぼす影響
            ハキミ・ハサン(帯広畜産大学大学院畜産衛生学専攻)

16:10-16:40
  エンドトキシンによる卵胞機能の抑制機構
            村山 千明(帯広畜産大学大学院畜産衛生学専攻)

[総合討論]
16:40-17:00 進行
            コーディネーター 木田  克弥・宮本 明夫 (帯広畜産大学)

主催:文部科学省「組織的な大学院教育改革推進プログラム」)
(文部科学省「グローバルCOEプログラム」
後援:十勝獣医師会

懇親会

18:30~20:30 (会費 4,000円, 十勝ビール〈帯広市西1条南9丁目6番地〉)


【ポスター】
【申し込み】
  • 参 加 費 :無料 (当日はカラー資料集を配付)
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  • お申込方法:下記問い合わせ先にE-mailまたはFAXにて,ワークショップおよび懇親会の参加の可否を申し込みください。締切は2月15日(月)
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  • 問い合わせ先:帯広ワークショップ事務局
    帯広畜産大学大学院畜産学研究科 畜産衛生学専攻 担当:加藤
    TEL:0155-49-5330 FAX:0155-49-5459
    e-mail:kaorik@obihiro.ac.jp
【注意事項】

お車で来学される場合は,別紙の案内図に従って必ず指定された「ワークショップ臨時駐車場」に停めていただくようご協力お願いいたします。なお,当日は土曜日であることから、「図書館」玄関をご利用ください。「図書館」以外については施錠されているため,出入りできませんのでご注意願います。

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