平成21年度入学式
第61回畜産学部,第43回大学院並びに第50回別科草地畜産専修の入学式が,4月10日(金)午前10時から講堂において,関係者の列席のもとに挙行され,341名の入学者全員の呼名が行われ,入学が許可されました。
次いで長澤学長から告辞が述べられ,引き続き,ご臨席いただいた帯広畜産大学後援会理事長の西佐古 求様から祝辞を賜り,入学者を代表して獣医学課程の増田 祥太郎さんから宣誓が行われました。
その後,ご来賓の同窓会会長,後援会理事長および役職員の紹介があり,マンドリンサークルによる帯広畜産大学逍遥歌の流れるなか,式が終了しました。
以下に長澤学長の告示を紹介いたします。
告 辞
本日ここに、ご来賓、ご家族、教職員のほか、関係各位のご臨席を頂き、平成21年度の入学式を挙行できますことは、本学にとりまして大きな喜びであります。本学に入学された341名の皆さん、誠におめでとうございます。
皆さんが、目的を持って努力し、本学に入学を果たされたことに対して、敬意を表するとともに、その志を支えてくださったご家族並びに関係者の方々に対しても、心よりお慶び申し上げます。
本学の前身である帯広高等獣医学校は、昭和16年に創立され、今年で68年目を迎えます。この間、昭和24年に、新制大学として帯広畜産大学畜産学部が設置され、昭和35年には、地域農業の中核的リーダーを養成することを目的とした別科(草地畜産専修)、昭和42年には、高度専門職業人養成を目的として、大学院畜産学研究科修士課程がそれぞれ設置されました。また、平成18年には、我が国で唯一、畜産衛生学博士の学位を授与する本学独自の大学院博士課程が設置され、現在に至っています。
これらの教育課程を修了した同窓生の数は約1万3千人となり、生命・食料・環境の分野で、国内はもとより、世界中で多彩な活躍をしています。
本学は、教職員および学生を併せて、約1,600名の規模の小さな大学ですが、全国的に、特色ある大学として、多方面から高い評価を受けています。獣医・農畜産融合の特色ある教育研究分野、実験フィールドを有する広大なキャンパス、長年にわたる国際協力活動、産学官連携事業の積極的な推進、多彩な地域貢献実績などが基盤として、大学の目的と使命が明確であることが大きな要因です。そして、このような高い評価は、教職員、学生、同窓生が、力を併せた結果であると思います。本日、皆さんが、本学の一員として加わり、これからの帯広畜産大学の実績を更に築き上げ、本学の学風を形成することになるわけですが、益々、高く評価されるよう共に力を併せたいと思います。
ちなみに、先月、World Baseball Classic (WBC)で侍ジャパンが2連覇の偉業を達成しました。原監督によれば、「勝因は、日本力(にっぽんぢから)」ということでした。「プレーヤー個人個人が、気力と粘り強さを発揮し、チームが一致団結すると大きな力になる」という意味で使われたようですが、個人個人が自らの役割を精一杯果たしつつ、組織が協調して力を併せることの意義を、あらためて認識させられました。
さて、学校教育法によれば、大学の目的は、「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的および応用的能力を展開させること」と定められています。また、「大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与する」とも規定されています。
言葉を変えると、大学の役割は、「豊かな教養と専門的知識を備えた人材を養成するとともに、優れた研究を推進し、知の創造と継承を図り、社会に貢献すること」ということになります。
平成16年に、全国の国立大学が法人化され、目標と計画を公表することになりました。本学が目標・計画に掲げたミッションは、「知の創造と実践によって実学の学風を発展させつつ、食の安全確保に関わる人材育成を通じて、地域及び国際社会に貢献すること」です。
皆さんは、今、本学へ入学するという目的を達成されたところですが、これからの学生生活の間に次の目標を設定していただきたいと思います。大学は、皆さんに知識・技術・情報を提供しますが、それらを継承・創造し、あらたな目標を作り上げるのは皆さんです。
現代社会が抱えている課題には様々なものがあります。たとえば、世界経済は、サブプライムローン問題に端を発した、未曾有の経済危機に直面しています。ここ、とかち帯広は、食料自給率1100%とも言われ、世界的金融危機の影響は他の地域に比較すると少ないとはいえ、予断を許さない情勢にあります。
また、私たちが直面している地球規模問題には、地球温暖化、食料安全保障、環境破壊、テロ・紛争、感染症などがあります。
昨年開催された、北海道洞爺湖サミットの主要テーマは、環境・気候変動でした。
帯広市は、昨年、全国89カ所の自治体の中から6カ所選定された、環境モデル都市に指定され、低炭素社会の実現にむけて、高い目標を設定していますが、本学も連携して、その推進に寄与しています。
「食の安全・安心」をめぐっては、様々な社会不安を生じさせる事件が起きています。
これらの課題は、直接あるいは間接的に農業に関るものであり、課題解決については、獣医学、農学、畜産学の関与が大いに期待されています。
こうした情勢の変化と社会の期待に対応して、皆さんがそれぞれ固有の目標を設定し、これからの学生生活において、生命・食料・環境分野の専門知識、社会に通用する教養、社会情勢の変化や諸課題に対応可能な応用力やコミュニケーション能力を身につけ、人間的に大きく成長されることを期待します。
とかち帯広は、日高山脈から始まる果てしない大空と大地の中で、一年を通じて美しい自然の息吹を満喫できます。このような恵まれた自然環境は修学環境としても、志高い皆さんの多様で個性的な夢と希望を迎え入れるのに相応しいものと考えます。
最後に、皆さんが、志を高く持ち続け、悔いを残さない充実した学生生活を送られることを祈念し、告辞といたします。
平成21年4月10日
国立大学法人帯広畜産大学長
長澤秀行


