平成21年度学位記並びに修了証書授与式

第58回畜産学部学位記授与式,第49回別科修了証書授与式並びに第42回大学院学位記授与式が,3月19日(金)午前10 時から講堂において,関係者の列席のもとに挙行されました。
長澤学長から,学部卒業生248名並びに大学院修了生51名に学位記が,別科修了生13名に修了証書が,それぞれ代表者に授与されました。
次いで畜産衛生学専攻博士後期課程について,13名の修了生一人ひとりに学長から「畜産衛生学」の学位記が授与されました。
次いで学長が告辞を述べ,引き続き,ご臨席いただいた帯広畜産大学同窓会会長の太田助様から祝辞をいただきました。
その後,学生表彰が行われ,学長から学業成績優秀者12 名に表彰状と学生後援会から記念品が贈呈されました。
続いて,ご来賓の同窓会会長,後援会理事長の紹介および理事,副学長などの紹介があり,最後にマンドリンサークルによる帯広畜産大学逍遙歌の演奏があり,蛍の光が流れるなか,卒業生,修了生が退場し,式が終了しました。
告 辞
本日ここに,ご来賓,ご家族,教職員のほか,関係各位のご臨席をいただき,平成21年度の学位記並びに修了証書授与式を挙行できますことは,本学にとりまして大きな喜びであります。
畜産学部,別科草地畜産専修,大学院畜産学研究科のそれぞれの課程を終了され,本日のこの式典に臨むことができますのは,皆さん自身の努力と研鑽によるものであり,深く敬意を表します。それぞれが固有の困難や課題を克服した結果であると思います。留学生の方々は,母国の期待を担い,家族と離れ,環境や文化の違う地において,さらに苦労が多かったと思います。卒業あるいは修了の時を迎えられた皆さんに,心からお祝いを申し上げます。
また,ご出席くださいましたご家族の皆様には,帯広畜産大学卒業あるいは修了という子供さんの晴れの日を迎えられ,感慨もひとしおのことと推察いたします。誠におめでとうございます。
さて,本学は,昭和16年に創設され,今年で69年目を迎えます。私ごとですが,ちょうど30年前に,この講堂で,将来に対する期待と不安を胸に卒業式を迎えていたのを今,思い出します。卒業式の会場は,前年度まで体育館でしたから,この講堂が竣工されて,初めての卒業式でした。当時と比べると,大学キャンパス内の光景も様変わりし,大学を取り巻く社会の情勢も大きく変化しています。少子高齢化の進行,グローバル化社会の進展,環境問題の深刻化,食の安全・安心への関心の高まり,技術革新あるいはイノベーションの進行など,例をあげるときりがありません。また,リーマンショックに端を発した経済不況,年金問題や福祉・医療への不安も解消されていないのが現状です。
先日の報道によれば,大学生の65%が日本の将来に夢や希望を持てないと感じているそうです。「財政赤字が深刻化して,若者世代に過重な負担となっている。」「雇用不安がある。」「公的年金の世代間格差がなくならない。」「所得が増えず,豊かな暮らしが望めない。」などの理由があげられていました。皆さんは,どのように感じているでしょうか。
一方で,現在,食料生産分野に限らず,多様な分野において農業が注目されており,21世紀最大の成長産業とも言われています。この理由は,農業は生活基盤であり,食料は健康基盤ですから,現代社会が抱えている地球温暖化,食料安全保障,環境問題,エネルギー問題,感染症など地球規模問題の解決には,農業を支える農学,畜産学,獣医学の学術貢献が必須であるということです。本学で学んだ皆さんは,国際的視野を持ち,環境にやさしく,持続可能な農業や食産業を通じて大きく社会貢献することが可能であると確信します。
知の創造と実践によって実学の学風を発展させ,「食を支え,くらしを守る」人材の育成を通じて,地域及び国際社会に貢献すること。これが,本学が中期目標に掲げたミッションです。この本学の基本的な目標を達成するメンバーの一員として,皆さんには大いに期待しています。
資源の少ない我が国にあっては,人材育成は最も重要な事項とされています。従来,大学は社会のリーダーシップを養成する場でありました。しかし,近年,大学数の増加,少子化,大学進学率の上昇などの要因が重なり,もはや大学出身者が社会のリーダーという図式はなくなりました。学歴偏重主義の時代が終わり,人物本位あるいは実力本位という社会に移りつつあることは歓迎すべきだと思います。混迷している社会であるからこそ,今,社会が求めている人材は,「何事にも挑戦する意欲や情熱がある人材」であり,「失敗したり思い通りに行かない時も,あきらめずにやり遂げる気力を持っている人材」なのです。まわりとコミュニケーションをとり,協調性をとることも重要です。そして,何よりも,周りの人から信頼され,信用されることが実力本位の社会に求められている人材であると思います。
終わりに,皆さんの人生が夢や希望に満ち,心と身体の健康を維持し,「食を支え,くらしを守る」分野で,地域社会や国際社会に大きく貢献することを祈念して,告辞といたします。
平成22年3月19日
帯広畜産大学長
長澤秀行


