帯広畜産大学

帯広畜産大学の紹介

原虫病研究センターがOIEコラボレーティングセンターに認定されました

 原虫病研究センターが平成20年5月にパリOIE本部で開催された国際獣疫事務局(OIE)年次総会(加盟国農林水産大臣級)において「動物の原虫病に関する監視と制圧」に関するOIEコラボレーティングセンターに認定されました。
 OIE認定コラボレーティングセンターはアジアで最初であり、原虫病専門のOIE認定コラボレーティングセンターは世界初となるため,今後世界の畜産振興と畜産物の安全性確保をめざした家畜原虫病対策に関して専門的見地から主導的役割を果たしていくことになります。

原虫病と世界の食糧問題 ~ 帯広畜産大学の取り組み

 国内の感染症研究を見渡すと長年にわたりBSE・エイズ・トリインフルエンザ・結核など,プリオン,ウイルス,細菌に関する研究が流行の最先端であり,原虫病研究は完全なマイノリティーであった。原虫病は爆発的な流行で世界を震撼させるようなこともなく,公衆衛生の行き届いた先進国では未然に感染を防ぐことも可能である。それゆえ先進国ではあまり問題とならず過去の病気となっている。一方でアフリカ,アジア,南米などの国々に目を向けると劣悪な研究環境にもかかわらず懸命に原虫病制圧に挑む研究者が多いことに気づく。これら開発途上国では原虫病は過去の病気ではない,現在もヒトと家畜の健康を脅かし家畜の生産性を著しく悪化させているのだ! 「マラリアとアフリカ睡眠病が撲滅できればアフリカ大陸の食糧問題は解決できる!」原虫病研究者が異口同音にそう唱えるが現実は? ほとんどの原虫病に対して安全な特効薬と有効な予防ワクチンはない。どうやら大きな利潤が望めない抗原虫薬や予防ワクチンの開発は大手製薬企業の興味をひかないようである。
  帯広畜産大学は旧国立大学で唯一の獣医畜産系単科大学で,食の安心・安全確保に特化した獣医・畜産融合教育をいち早く実施するなど世界の食糧問題解決を請け負う専門店大学としてユニークな挑戦を続けてきた。原虫病研究センターでは感染症研究の流行にとらわれることなく,開発途上国の共同研究者と共に過去10年以上にわたって原虫病の診断法・ワクチン開発に関する研究を実施してきた。これらの活動はどちらかというと地味でサイエンスやネイチャーといったトップジャーナルをにぎわすような花形研究ではないが,「原虫病研究センターで学びたい」と希望する開発途上国若手研究者は多く,関連分野では知る人ぞ知る存在となっている。

OIEについて

 国際獣疫事務局(World Organization for Animal Health,通称OIE,本部パリ)は1924年設立の伝統ある国際機関で,現在日本を含む172カ国が加盟している。OIEは家畜版WHOともいえる国際機関であり,家畜と畜産製品の安全・安心を確保し国際的畜産物貿易の活性化を図るべく,世界の疾病発生情報調査,畜産物貿易や動物検疫に関する国際基準の策定,新しい診断法やワクチンの国際標準化などを行ってきた。BSEや鳥インフルエンザ問題の解決に当たり,政策と学術の両側面から主導的な役割を果たしているのもOIEである。これらOIEの活動は世界各国に配置されたOIE認定コラボレーティングセンター(世界27機関)に所属する研究者の卓越した研究活動によって支えられており,OIEコラボレーティングセンターに認定されることは国際的に極めて評価の高い研究を行ってきたことを証明しているため獣医畜産関連研究者の中で一種のステータスになっている。

前ページに戻る