平成20年度学位記並びに修了証書授与式

 第57 回畜産学部学位記授与式,第48 回別科修了証書授与式並びに第41 回大学院学位記授与式が,3 月19 日(木)午前10 時から講堂において,関係者の列席のもとに挙行されました。

 長澤学長から,学部卒業生234名並びに大学院修了生64名に学位記が,別科修了生21名に修了証書が,それぞれ代表者に授与されました。

 次いで今回初めての修了生を送り出す畜産衛生学専攻博士後期課程について,9名の修了生一人ひとりに学長から「畜産衛生学」の学位記が授与されました。

 次いで学長が告辞を述べ,引き続き,ご臨席いただいた帯広畜産大学同窓会会長の太田助様から祝辞をいただきました。

 その後,学生表彰が行われ,学長から学業成績優秀者12 名に表彰状と学生後援会から記念品が贈呈されました。

 続いて,ご来賓の同窓会会長,後援会理事長の紹介および理事,副学長などの紹介があり,最後にマンドリンサークルによる帯広畜産大学逍遙歌の演奏があり,蛍の光が流れるなか,卒業生,修了生が退場し,式が終了しました。


告 辞


 本日ここに,ご来賓,ご家族,教職員のほか,関係各位のご臨席を頂き,平成20年度の学位記並びに修了証書授与式を挙行できますことは,本学にとりまして大きな喜びであります。

 畜産学部,別科草地畜産専修,大学院畜産学研究科のそれぞれ所定の課程を修了され,本日のこの式典に臨むことができますのは,皆さん自身の努力と研鑽の賜物であり,深く敬意を表します。
 また,皆さんの長期にわたる学生生活を支援してこられた ご家族の皆様にも,心からお祝いを申し上げます。

 さて,本学の前身である帯広高等獣医学校は,昭和16年に創立されました。その後,昭和24年に,国立大学設置法に基づき新制大学として帯広畜産大学が設置され,平成16年には,国立大学の法人化という大きな教育改革により,国立大学法人帯広畜産大学となり現在に至っています。

 この間,昭和35年には,地域農業の中核的リーダーを養成することを目的とした別科(草地畜産専修)が設置され,昭和42年には,獣医・農畜産分野における高度専門職業人養成を目的として,大学院畜産学研究科修士課程が設置されました。また,平成16年には,「獣医・畜産融合領域による食の安全確保に関わる人材育成」を目的として,大学院修士課程に畜産衛生学独立専攻が新設され,平成18年には,我が国で唯一,博士(畜産衛生学)の学位を授与する本学独自の大学院博士課程が設置されました。

 本日,それぞれの教育課程から卒業生あるいは修了生が巣立ち,社会において本学における学習成果を大いに発揮されることを期待します。特に,本学創立以来の念願であった,独自の博士課程において,畜産衛生学博士の学位を取得された皆さんに対しては,第一期生としての自覚と責任を持って,国際社会において,学術貢献されることを大いに期待するところです。

 本学の基本理念は,「食の安全確保に関わる人材育成を通じて,地域及び国際社会に貢献すること」です。日本の食料基地と称される広大な十勝平野に位置している本学は,大学の教育研究分野と周辺地域の基幹産業が一致している,我が国では数少ない大学の一つです。本学は,この恵まれた教育研究環境を充分に活かして,獣医・農畜産専門学術の府として,遺伝子工学や分子生物学などを活用した生体内の分子レベルから,動物あるいは植物を用いた個体レベルの教育研究,食料生産あるいは食品加工から食品の栄養・機能に関する教育研究,循環型農業やバイオマス利活用による環境衛生などの教育研究等の先端基礎研究から応用実践・開発研究の推進により,社会的使命を果たすことをビジョンとしています。

 本学の教育課程を修了された皆さんは,国際的視野を持ち,環境にやさしく,経済性を考慮した資源循環型農業,持続可能な農業や産業の確立に大きく社会貢献することが可能であると確信しています。

 現在,社会が抱えている地球規模問題には,食糧安全保障,飢餓,環境破壊,地球温暖化,エネルギー,感染症,テロ・紛争等がありますが,いずれも農業と密接に関連しています。従って,農学,畜産科学,獣医学の果たす役割は極めて重要であるといえます。

 昨年7月には,北海道洞爺湖サミットが開催されましたが,主要テーマの一つは,環境・気候変動でした。その際のG8サミット首脳宣言を受けて,昨年12月には,帯広市で第1回目の「G8水と衛生に関する専門家会合」が開催されました。
 本学は,2001年から,GGAA「畜産における温室効果ガスの抑制と利用に関する国際会議」の事務局を担当し,地球規模問題の解決に貢献しています。
 また,帯広市は,本学との連携協力による実績を基に,全国で6カ所認定された環境モデル都市の1つに選定されています。環境モデル都市とは,地球温暖化防止のために,温室効果ガスの大幅な排出削減など,低炭素社会の実現に向けて,高い目標を掲げて積極的に取り組む都市をいいます。
 その他にも,「もっとエコな十勝づくり」を始めとする様々な取組みを積極的におこなっていますが,大切なことは,私たち一人ひとりが,それぞれの立場で地球の未来に責任を持ち,地球環境のことを考え,行動に移すことであると思います。

 「食の安全・安心」をめぐっては,様々な社会不安を生じさせる事件が起きています。多くの国民が「食の安全確保」を期待する一方で,サブプライム・ローン問題に端を発した世界的な経済危機に,日本経済も大きく影響を受けています。今後,数年間,経済が混迷することが予想されますが,過去の歴史に見るように,人類は,必ず,困難を克服すると断言することができます。

 その原動力となるのは,皆さんです。

 現代社会は知識基盤社会と言われ,新しい知識・情報・技術が,社会のあらゆる領域の活動基盤であるとされています。したがって,「知識」の創造と継承を使命とする大学の存在は,以前に増して重要であります。皆さんが大学で創造し,また継承した「知識・情報・技術」の活用によって,より良き社会の構築,地球規模問題の解決,農業を基盤とする地域経済の活性化等に取り組んで頂きたいと思います。

 残念ながら,正解,模範解答,マニュアルなどは存在しませんが,解決策は,皆さんがこれまで身につけた知識,技術に加えて,コミュニケーション能力,応用力,根気強さ,粘り強さや,最終的には物事を成し遂げる意志の強さにより,見つかるものと考えます。

 本日,今,本学を巣立つ皆さん,帯広畜産大学卒業生・修了生としての誇りと自信を持って,困難に立ち向かってください。
 皆さんの人生が希望に満ち,心と体の健康を維持し,なによりも悔いのないものとなることを心から祈念して告辞と致します。

平成21年3月19日
帯広畜産大学長
長澤秀行

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