学長から皆さんへ
帯広畜産大学は,昭和16年に帯広高等獣医学校として創立し,昭和24年に国立大学唯一の獣医農畜産系の単科大学として設立されました。その後,畜産学,生命科学,食品科学などの農業諸科学分野の増設,整備・再編を行い,平成2年および平成6年には,それぞれ連合獣医学研究科博士課程(岐阜大学大学院)および連合農学研究科博士課程(岩手大学大学院)の構成大学となりました。平成18年には,獣医領域および畜産領域の融合分野による基礎研究,応用研究,実践技術習得を目的とした「食の安全確保」に関する高度人材育成のため,全国で唯一「博士(畜産衛生学)」の学位を授与する畜産衛生学専攻博士課程を設置しました。
本学が立地している広大な十勝平野は,我が国の食料基地であり,循環型農畜産業の先進地域として発展することが期待されています。また,独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター芽室研究拠点,北海道立十勝農業試験場,北海道立畜産試験場,十勝圏地域食品加工技術センターなどの試験研究機関があり,本学はこれらの研究機関と連携しながら教員の基礎研究成果を学生達が一緒になって応用展開する実学重視の人材育成を展開し,国内はもとより海外,特に開発途上国の農畜産業の発展に大きく貢献しています。
大学の役割は「豊かな教養と専門的知識を備えた人材を養成するとともに,優れた研究により,「知」の創造と発展を図り,社会に貢献すること。」と定義されています。このことを踏まえ,本学が中期目標に掲げた基本理念は,「食の安全確保に関わる人材育成を通じて,地域および国際社会に貢献すること。」です。この基本理念に沿って,教育の質の向上,研究の質の向上,地域及び国際社会との連携,効率的かつ効果的な大学運営の4つの事項を推進し,これまで,多くの重要項目を実現し,国内外から高い評価を受けています。
国立大学が担う責任の中には,経済成長力や技術革新への学術貢献も必要ですが,研究業績や研究費獲得実績などに重点を置くと,「教員中心の大学」となる可能性が高くなってしまいます。しかし,大学は社会に貢献する人材の養成に当たるという役割を担っており,学生に高い付加価値を付けて卒業生あるいは修了生として社会に送り出すことが大学の社会的責任です。従って,多様な学生に対するきめ細かな教育・指導に重点を置く「学生中心の大学」として,常に学生の視点に立って改善を図ることが重要です。
今後も,大学の責任を果たし,社会に高く評価される大学づくりを目指して日夜努力していきたいと思います。
国立大学法人帯広畜産大学長
長澤 秀行
