はじめに

 帯広畜産大学は,我が国で唯一の獣医畜産系単科大学 として、日本の食料基地である北海道十勝の立地条件を生かし、農畜産に関する基盤研究の実績にもとづく実践的な専門教育活動を展開しています。また、多くの国際的な共同研究や国際協力機構(JICA)などとの連携により、世界の農畜産業の発展にも大きく貢献してきました。国立大学法人化に伴い、本学は動物由来食品の「安全と安心」の確保に「知」のリーダーシップが存分に発揮されるような大学院重点化単科大学として存立することを中長期目標に設定致しました。本学の大学院博士課程の教育は、岐阜大学大学院連合獣医学研究科および岩手大学大学院連合農学研究科との連携により行われてきましたが、真の畜産衛生全般に携わることができる国際的に卓越した専門家の育成体制を確立するためには、本学に畜産・獣医学領域に新たな複合的学術基盤を構築することが極めて重要でありました。
  上記の目標達成のため、本学の21世紀COE プログラム「動物性蛋白質資源の生産向上と食の安全確保-特に原虫病研究を中心として-」は、獣医・畜産系大学では唯一の全国共同利用施設である原虫病研究センターを中核として、平成14年度から18年度まで実施されました。その結果、本学の拠点形成活動が多方面から評価され、本学独自の大学院博士課程(畜産学研究科畜産衛生学専攻)の設置と、原虫病研究センター国際監視部門の増設により、名実共に畜産衛生学に特化した教育研究拠点形成が達成されました。現在では、両連合大学院に加え、本学独自の博士課程学生を国内外から毎年10 -15名受け入れ、教育研究活動を展開しています。また、原虫病研究センターは、国際獣疫事務局(OIE)のレファレンスラボラトリーとして認定されました。今後、本学は、本プログラムで形成された原虫病研究センターおよび畜産衛生学専門の大学院博士課程畜産衛生学専攻を最大限に活用し、獣医学・畜産科学両領域の有機的な融合による畜産衛生学に重点化されたアジア・環太平洋地域を代表する獣医・畜産系単科大学から、イギリス・ドイツ・米国・南アフリカなどの当該分野での世界「トップ5」に名を連ねる、原虫病を中心とした人獣共通特殊疾病を専門とするグローバルな高度教育研究拠点として更に発展させるため、より一層の努力を重ねて行きたいと考えております。

 

学長 帯広畜産大学
   学 長  鈴 木 直 義