スライド作成用クラスファイルpowerdotの導入

項目一覧

  1. powerdotとは?
  2. 必要なパッケージのダウンロード
  3. パッケージのインストール
  4. 諸設定
  5. 使用例

1 powerdotとは?

powerdotは, LaTeXでスライドを作成するためのパッケージである。 筆者は元々prosperを使用していたが, prosperのメンテナンスが終了している点, またその後継としてリリースされたpowerdot の使い勝手が非常によくなっている点から, 今後はpowerdotへの切り替えを進めていく。 主な利点は以下のとおり:

以降, 導入および使用法について解説する。詳しい使用法については, マニュアルの 日本語訳1を参照されたい。

なお次に示す手順は, TeXインストーラ によりW32TeXおよび関連ツールをインストールした上でのものである。 powerdotは複数のパッケージに依存しているため, それらのパッケージが古いと 動作しない可能性もある。手順どおりに実行して動作しない場合には, システム一式の再インストールをすべきである。

2 必要なパッケージのダウンロード

一般的なスタイルファイルの導入法とほぼ同様であるが、 powerdotにはTeXインストーラで組み込まれないパッケージを必要としているため、 先にそれらを別途インストールしなければならない。手順は以下のとおり:

  1. CTANの パッケージ選択ページでpowerdotと書かれた行を探す(ページ内検索をするとよい)。
  2. その行の「get the entire subdirectory」というリンクをクリックすると ダウンロード先のサーバの選択画面が表示されるので, どれか一つを選択して 「submit」ボタンをクリックする。
  3. powerdot.zipのダウンロードが始まる。
  4. 同様に, xcolor.zip, listings.zip, enumitem.zipもダウンロードする。

3 パッケージのインストール

次の手順で行なう。

  1. enumitem.zip, xcolor.zipを展開し, 解凍されたファイルを C:\tex\share\texmf-local\tex\latex 以下にすべて移動する(フォルダがなければ作成する)。
  2. コマンドプロンプトを開いて上記のフォルダへ移動しxcolor.styを生成する (以下のコマンドをそのまま実行すればよい)。
      cd C:\tex\share\texmf-local\tex\latex
      platex xcolor.ins
    
  3. listings.zipを展開し, 解凍されたファイルを C:\tex\share\texmf-local\tex\latex\listings 以下にすべて移動する。移動後, xcolor.styと同様に, 下記のコマンドでlistings.styを生成する。
      cd C:\tex\share\texmf-local\tex\latex\listings
      platex listings.ins
    
  4. powerdot.zipを展開してできる三つのフォルダのうち, runというフォルダ内の ファイルをすべて C:\tex\share\texmf-local\tex\latex\powerdot 以下へコピーする。ほかのファイルはドキュメント類であって動作には関係ない。

4 諸設定

上記の手順でpowerdotは使用可能になる。しかしスライドの作成にはソース - DVI - PDFという変換手順を要するため, ghostscriptの設定が必要になる。 同時にバッチファイルを作成しておくと便利である。 手順は以下のとおり:
  1. テキストエディタに次の内容を記述し, C:\tex\bin以下に powerdot.batというファイル名で保存する。
      platex %1
      dvipsk -P pdf -z -f %1 | bkmk2uni >%1.ps
      ps2pdf %1.ps %1.pdf
    
    これによって, コマンドプロンプト上で
     powerdot (ファイル名)
    
    と入力することによりpdfファイルが作られるようになる 2
  2. 環境変数3PATHに C:\gs\gs8.54\bin およびC:\gs\gs8.54\lib があることを 確認した上で(なければ追加する)4, C:\gs\gs8.54\lib\ps2pdfxx.batをテキストエディタで開く。
  3. 10行目付近に
      echo -q -dSAFER -dNOPAUSE -dBATCH -sDEVICE#pdfwrite >_.at2
    
    という行があるので, これを次のように書き換える(-dWINKANJIというオプションを 追加する)。
      echo -q -dSAFER -dNOPAUSE -dBATCH -sDEVICE#pdfwrite -dWINKANJI >_.at2
    
これで, 日本語を含むpsファイルおよびpdfファイルを生成することができるようになる。

5 使用例

簡単なソースを以下に示す。

\documentclass[style=fyma]{powerdot}

\usepackage{amsmath, amssymb, amsfonts}
\usepackage{ascmac}
\usepackage{latexsym}
\usepackage{comment}

%デフォルトのフォントをゴシックに変更
\renewcommand{\kanjifamilydefault}{gt}

% 表紙の設定
\title{\huge{Powerdotテスト}}
\author{\large{阿部 隼人}}

\begin{document}

% 表紙
\maketitle

%%--- 01 page
\begin{slide}{アニメーション事始}
その1,  \pause その2
\end{slide}

\begin{slide}{itemize test}
 \begin{itemize}[type=1]
  \item ライト \pause
  \item レフト \pause
  \item センター
 \end{itemize}
\end{slide}

\begin{slide}{sample onslide+}
 \texttt{onslide }: \onslide{1}{power}\onslide{2}{dot}\\
 \texttt{onslide+}: \onslide+{1}{power}\onslide+{2}{dot}\\
 \texttt{onslide*}: \onslide*{1}{power}\onslide*{2}{dot}
\end{slide}

\end{document}
注目すべき点は以下のとおり: このソースから得られる出力がどうなるのかは, 各自確かめてほしい。Adobe Readerで スライドを開いて, Ctrl+Lを入力すると全画面表示になり, Enterキーまたは方向キーで スライドを進めることができる。


注釈

... 日本語訳1
TeX Wikiの 「プレゼンツール」の項目内にリンクがある。
... と入力することによりpdfファイルが作られるようになる 2
このとき, 拡張子を 入力してはいけない。例えば, slide.texというファイルからpdfファイルを作るとき, 「powerdot slide」とだけ入力すること。
... 環境変数3
「マイ コンピュータ」を右クリックして「詳細」タブをクリック するとウインドウ下部に「環境変数」というボタンが表示される。これをクリックすることで 環境変数を編集することができる。
... 確認した上で(なければ追加する)4
Ghostscript8.54をインストールした場合。 他のバージョンの場合フォルダ名が異なるので注意が必要である。


© 2007 ABE, Hayato
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